海に囲まれた島国である日本では古くから良質なタンパク源として魚が食べられていました。日本で食べる事のできる魚の種類は多岐に渡ります。今回はその中から世界で広く食べられているマグロについてお伝えしたいと思います。
ひとくちにマグロと言ってもその種類はたくさんあります。もっとも高級品と言われているのはクロマグロです。お手頃で馴染みの深いのはメバチマグロやキハダマグロです。そしてツナ缶などに加工されるのがビンナガマグロになります。 マグロは良質なタンパク質を含む食材です。赤身には鉄やタウリン、カリウムが多く含まれ、血圧や血液の状態を健康に保ちます。さらにアセリンという物質が含まれており、疲労回復や運動機能を高める効果が期待されています。そしてトロには脂質が多く、DHAが含まれています。DHAには脳の機能を高める効果があり、認知症予防にも役に立つといわれています。カマや目玉の部分にもDHAが多く含まれています。そしてDHAは不飽和脂肪酸の一種なので、悪玉コレステロールを下げ、善玉コレステロールを高める働きがあるため、生活習慣病の予防になります。 マグロは臭みがなく食べやすい魚なので、刺身や寿司にして食べられる事が多く、醤油やみりんに付けてヅケにすると保存ができます。海外ではソテーやフライにしたり、ツナ缶を利用してサラダとして食べられており、調理法は様々あります。一年中食べることができますが、一般的には冬が旬です。
スーパーなどでマグロを選ぶ時には深い赤色とテリがあるものが新鮮です。筋が薄いものほど身がやわらかいです。冷凍マグロを購入する時には、冷蔵庫でゆっくり解凍し、半解凍の状態で切り分けると風味を損ねません。 日本人とマグロの歴史は長く、縄文時代の貝塚からマグロの骨が発見されています。古事記や万葉集にも記載があり、古くから親しまれている事がわかります。江戸時代には赤身が好まれ、トロは捨てられいたそうです。現代とは価値が逆転しています。 マグロの主な生産地はインドネシア、日本、台湾などです。また冷凍技術の発達からスペインなど遠くヨーロッパからも輸入されています。近年では日本は勿論の事、台湾、韓国、中国での消費量が増え、世界で乱獲されるようになりました。 このためマグロの漁獲量が急速に減少しています。今後は漁獲量の規制を見直しとともに高い養殖技術の完成が求められています。 美味しいマグロが長く食べられるように技術の進歩に期待したいですね。